4 射弓場と馬場

 家中、天神社の裏手一帯は広場で、海岸沿いに老松が澤山あり、これが皆んな、根上り松となって、私等子供のよい遊び場であった。
 昔は、多度津のお殿さまや、その家来たちが、この広場で、弓の稽古をしたり、乗馬の訓練をしていたという。
 この馬場の西の方(現在国鉄多度津工場附近)には調練場があって、ここで新式の兵士訓練をしたところである。陣笠をかむり、種子島銃を担いだ鉄砲組などの訓練であったのだろう。
 このうち、射弓場附近には、測候所が建ったり、水産学校(香川県立)が出来たり、住宅街となって、全く変ってしまった。
 昭和初年頃まで、射弓場は、旧家臣らで、天神社裏手の境内地に新設して、時々競射会をしていた。
射込んだ矢を拾いに行くのが、私達子供としては嬉しいものであった。

 
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