第三節
 第一項
  第一目 多度津附近の俚謡
   1.俚謡 
 

 これから書く俚謡とか、わらべ唄などは、私の知っているもの、聞いたものだけで、ほんの一部分に過ぎない。文中、聞き違え、思い違も多いと思うが、これは私の精にしないで今の若い人達によって、修正したり、本項末尾に余白も置いてあるので、充分に訂正、補筆していただきたいと思う。

   ×××××
多度津の殿さん お城はいらない。(多度津一円)
多度津繁昌と港を築(つ)いた。
   ×××××
林、金持ち、山地は地持ち、奥の兼はん、娘もち(白方・娘七人あった)
しらめ(虱)がわいたか海岸寺、じょうに、わいたか海岸寺
ほう木で掃こうか宝光寺。ブツブツ殺そか佛母院(ぶつもいん)
言うてくれるな医王院  (白方にある寺を全部入れておる)

西屋金持ち、高城地持ち、下の嘉エ門、娘持ち  (見立地方)
  
  俗謡

高い山から谷底見れば、瓜や なすびの花ざかり
 ハリワイドンドン コリワイドンドン

権兵衛が種蒔きゃ 鳥がほじる。 三度に一度は追わずになるまい
 ズンベラベラ

笹や笹、笹はいらぬか、すす竹を、大高源吾は橋の上 あした待たるる宝船

いやだ いやだよ、ハイカラさんはいやだ。 頭のてっぺに、さざえのつぼやき
 ナンテ マガ イインデショウ

汽車はだんだん進行する。ふき出す煙が、真黒けのけ
 オヤまっくろけのケ


ちらし寿司多度津町立資料館在郷風土記もくじ前へ次へ
inserted by FC2 system