4 乞食遍路(こじきへんろ)
 
 これは信仰による、四国八十八ヶ所巡拝の巡礼(おへんろさん)とは違って、破れ衣に、カケた木地鉢などを持って、外見は巡礼のような服装で、鈴などならし乍ら、戸毎に立って、ご詠歌や、お看経を唱えて、何がしの喜捨をうける。中には、その施がない家の前では、呉れるまで立って「嫌がらせ」をするような者もあった。
それは、あまり気持のよいものでなかった。いわゆる「グレへんろ」と言って嫌がられたものである。
 現在では社会福祉法が出来ているので、こんな物もらいなどする必要もなくなって、全くその影をひそめた。
有難いご時世となったものである。
お大師さんも、少しは肩荷が降りたことだろう。

  看経:(仏)経を読む.読経.

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