9 西宮のお戎さん (祭文全部) |
これは、門付けにもよく来たが、ご祝儀もので、よく寄席などで、かくし芸で披露される。 ここでは、その祭文の全部を、多度津の藤岡清さんに聞かして貰ったものを書くことにした。 |
先づは芽出度や、西の宮の恵比須三郎左衛門の丈は、
生れ月日を何時ぞと問えば、福徳元年正月三日
寅の一天、まなわの刻(こく)に、成るや、成らさん、信濃の國は、
竹日(ちくひ)が森の木々の木陰(こかげ)で、安すやす御誕生なされ、
成され、成された。成された処で、氏子子供に、肴のことなら、鯛の浜焼き、
鰆のさしみ、ちさのもみ菜に、チリメンジャコ振りかけて、
飛び付くような海老の子に、吸いつくような数の子、
昔馴染のお松さんの お酌で、浮いた浮いた浮いて来た 心持ちゃ どうじゃいな。
目もとチラチラ 口もとニコニコ。 足もとヒョロヒョロ 浜辺づたいで・・・
(以下省略)
そして最後の祭文につづく。
先づは、西宮の恵比須さん。五穀成就・商売繁盛・交通安全・福はご当家に治ります。
西宮 えびす宮 |