大容量ファイルを送るには
最終更新 2010/01/27
サイズの大きいファイルを送るには |
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インターネットを利用すれば,ワープロで作った文書ファイルやデジカメで写した写真ファイルなどを遠く離れた人に渡すことができます.最も簡単な方法はメールの添付ファイルとして送ることでしょう. メールを利用すれば,添付ファイルとして同時にいくつものファイルを送れますが,一般には,まとめて最大3メガバイトが限度のようです.メールは送る相手の私書箱に郵便物を送りつけるようなものですから,郵便物のサイズが大きすぎるとこの私書箱には入りきりません.そこで,送ったつもりの添付ファイル付きメールが,実際には,メールそのものが受け付けてもらえず,送ったはずのメールが届いてなかったということが起こります.宛先不明のメールは,届けられなかったことを知らせてくれますが,受け付けてもらえなかったメールは消えてしまって何も知らせてくれません.そこでこちらは送ったはずなのに,相手はいくら待ってもメールが来ずに待ちぼうけということになります. 写真なんかでは1枚当たりのファイルサイズが数メガバイトということもありますから,たとえメールに添付できたとしてもせいぜい一度に1枚か2枚.これでは,何十枚,何百枚と送ろうと思ったら,とても面倒で大変です.送り手が大変なら受け手も同じ手間がかかりますから同じように大変です.写真などでは,縮小サイズに変換して同時に沢山の写真を送ることもできますが,これでは,せっかくうまく撮れた自慢の写真が台無しです.とにかく,添付ファイルの数が多かったり,メールを送る回数が多ければ,折角のメールもあまり便利な方法とはいえません. そこで登場するのが「ファイル圧縮」の技術と「宅ふぁいる便」のサービスです. 「ファイル圧縮」とは,ファイルの中の無駄な部分がなくなるようにして,できるだけファイルのサイズを小さくする技術で,こうして作られた新しいファイルを「圧縮ファイル」といいます.「ファイル圧縮」は,同時にいくつものファイルを圧縮して一つの圧縮ファイルにまとめることもできます.写真などの画像データファイルであるjpeg形式のファイルは,もともと圧縮ファイルとして保存されていますので,これをさらに圧縮しても,サイズそのものはあまり小さくなりませんが,沢山の写真を一つのファイルにまとめるという利点があります. 「圧縮ファイル」はもとのファイルとは違ったものになっていますから,受け取った方は,そのままではそのファイルを開くことはできません.「圧縮ファイル」をもとのファイルに戻してやらなければなりません.これを「解凍する」といいます.ですから,大容量ファイルをやり取りするときには「圧縮」と「解凍」がペアになっているのです.戻すのが「解凍」なら圧縮は「冷凍」ではないかと思われませんか.でも「冷凍」では,普通,サイズは小さくなりませんからねえ.正しくは「圧縮」に対して「展開」とか「復元」とでもいうべきなんでしょうね. さて,沢山の写真ファイルを圧縮して,一つの「圧縮ファイル」を作ったとしても,やはり,そのファイルサイズがメールに添付できる限度の3メガバイトを越えると,やはりメールには添付できないということに変わりはありません. 大容量ファイルをどうやって相手に渡すか.うまいもので,インターネットの世界では,ファイル転送サービスというのがいくらでもあります.私見ですが,最も便利なのは「宅ふぁいる便」ではないかと思います.これを利用するには,まず利用者登録をしなければなりませんが,一旦登録すれば,後は無料で最大3ファイル,全部で50メガバイトまでのファイルを一度に送ることができます.さらにプレミアムサービスを申し込めば(これも無料です)最大10ファイル,全部で100メガバイトまでのファイルを一度に送ることもできます.これなら,大抵の場合,間に合うでしょう. ファイル転送サービスでは,そのホームページを開いて,送る相手と自分のメールアドレス,登録時に設定したパスワード,送るファイルを指定して,さらに伝言文などを書き込んで,「送信」ボタンを押せば終わりです. ファイル転送サービスはファイルを直接相手に届けるのではなく,相手には「誰それさんからファイルを預かっていますが,受け取るにはこうしてください」という内容のメールを送るのです.そのメールを受け取った人は,そこに指定されているホームページを開いて,そこに書かれているようにしてそのファイルを受け取り(ダウンロード)ます. 受け取ったファイルがもし,「圧縮ファイル」であれば,それをそのまま開くことはできませんので解凍する必要があります. |
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圧縮・解凍ソフト+Lhaca |
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「圧縮」というのはファイルをどうやってサイズの小さいファイルとして保存するかという技術ですが,それが完全にもとの状態に戻せなければ無意味です.しかし,世の中,そうでないものもあって,デジカメの写真などでは,カメラの中のデータをそのまま保存しようとすると,馬鹿でかいサイズのファイルになりますから,少し画質を落としてでも,サイズが小さくなるJPEG形式という圧縮ファイル(拡張子がjpgとなっている)で保存されます.これはカメラの中の画質にはおよびませんが,人の目ではその違いが分からない程度に省略して保存しているようなものです.JPEGファイルは,もとの形に戻すことができない圧縮ファイルです. 一方,ワープロや表計算のファイルを圧縮したとき,それを元のファイルに戻せなければ圧縮してもしようがありません.完全に元に戻せる性質を「可逆性」といいます.一般には,可逆性のある圧縮ソフトを普通に「圧縮ソフト」と呼んでいます.圧縮してファイルサイズが小さくなり,それを解凍して元のファイルに戻せればいいわけですから,そのためにいくつもの方法があって,作られた圧縮ファイルにはそれぞれ固有の拡張子がついていて,この拡張子は圧縮の形式を表しています.例えばLHA形式とかZIP形式とかがそれで,その圧縮ファイルをLHAファイルとかZIPファイルとかいいます.日本ではLHA形式が最も普及していて,欧米ではZIP形式が普通です. 圧縮ソフトとして,日本では,圧倒的に+Lhacaというソフトが使われています.これは,対応する圧縮・解凍の形式が沢山あり,圧縮率が高く速度も速いと高機能ですがフリーソフトとして無料で公開されています. +Lhacaはここからダウンロードできます. |
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+Lhacaのインストールと設定 |
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+LhacaはLhaca124.exeというファイルがダウンロードされます.数字の部分はバージョンの違いで,これが最新のものですが,古くても別に問題はありません.
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これでLhacaの設定は終了です.いつでもファイルの圧縮と解凍ができるようになりました. |
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ファイルの圧縮と解凍 |
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マイコンピュータで圧縮したいファイルを選んで,デスクトップのセミの上にドラッグアンドドロップすれば,圧縮ファイルのできあがりです.ファイルはいくつ選んでも構いませんし,フォルダを選んでフォルダ丸ごとの圧縮もできます. 作られた圧縮ファイルの拡張子は必ずlzhになっており,マイコンピュータ見たとき,そのファイルの小さいアイコンはやはりセミになっています(LHA形式で圧縮したファイルの拡張子をlzhに決めてあるのはどうしてなんでしょうね).拡張子の前のファイルの名前は,圧縮するときに最後に選んだファイルの名前になっているはずです.例えば,「太郎さん.jpg」,「次郎さん.jpg」,「紀美ちゃん.jpg」の三つのファイルをこの順番で選んだとき,圧縮ファイルの名前は「紀美ちゃん.lzh」となります.このままでもいいのですが,この圧縮ファイルをダブルクリックするとファイルの関連づけによって,自動的にLhacaが呼び出されてファイルが解凍されますが,それは上の設定によって,「紀美ちゃん」というフォルダができて,その中に3個の写真ファイルが解凍されています.この「紀美ちゃん」というフォルダ名を適当に変更してもよいし,その前に,「紀美ちゃん.lzh」を「友達.lzh」に変更しておいて解凍すると,「友達」というフォルダの中に解凍されます.どちらにしてもフォルダ名の変更はいつでもできますから,ファイル名はどうでもいいということです. 要するに,マイコンピュータで圧縮したいファイルやフォルダを選んで,セミのアイコンにドロップすれば圧縮ファイルが作成され,圧縮ファイル名をダブルクリックすれば解凍できるという簡単な操作です.ただし,あまり欲張って,一度に沢山のファイルを圧縮すると圧縮ファイルの大きさが50メガバイトや100メガバイト越えてしまいます.こうなると,そのファイルを送ることが難しくなりますから,ほどほどにしておかないといけません. |
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「宅ふぁいる便」の利用 |
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沢山の写真を一つの圧縮ファイルにまとめることができても,このファイルのサイズが3メガバイトを超えてしまうと,やはり,メールに添付することはできません.そこで,無料のメール転送サービスを利用します.ここでは「宅ふぁいる便」サービスを取り上げることにしましょう. まず「宅ふぁいる便」のホームページにアクセスします.
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宅ふぁいる便の受け取り |
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「宅ふぁいる便」はファイルが直接送られて来るわけではありません.宅急便の集配センターに荷物が送られて来たようなもので,センターからは「荷物がつきましたよ」という連絡のために,「【宅ふぁいる便】ファイル預りのご連絡
○○様より」というメールが来ます. そのメールを開くと,その中には伝言文とともにだれからファイルが送られてきて,預かり期限はいつまでというようなことがかかれていますが,その下に, ↓ファイル受取りはこちらから(ファイルのダウンロード先URL) ……………… とあって,リンク先が示されていますから,これをクリックすると,ダウンロード先のページが開かれます. このページでは,「ファイルを預かっているが受け取るか」と聞いてきますので,送り先が信用できるもので,ファイルを受け取りたいと思えば,「同意してファイルを受け取る」ボタンを押します. |
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この赤矢印のダウンロードボタンを左クリックすれば,「ファイルのダウンロード」ウインドウが開いて「保存」ボタンで保存できます.また,右クリックしてポップアップメニューを出して,「対象をファイルに保存」を選べば,保存場所や名前を変えて保存することもできます. |
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受け取った圧縮ファイルの解凍 |
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いよいよ最後です,. 受け取ったファイルの拡張子がlzhであれば,これは圧縮ファイルです.圧縮ファイルは解凍しなければ何のファイルかも分かりません.解凍は,マイコンピュータでその圧縮ファイルを選んで,ダブルクリックするだけです. ファイルの名前のフォルダができていて,その中に解凍されたファイルが入っています. めでたし,めでたし. |