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2015/06/06 更新



2015年5月30日 20:24 小笠原諸島西方沖

発震日時 2015年5月30日 20:24
震源緯度 北緯27.9度
  経度 東経140.8度
震源深さ 約682km
マグニチュード 8.1
震度5強 小笠原村母島
神奈川県二宮町中里*
震度5弱 神奈川県 鴻巣市中央* 春日部市谷原新田* 宮代町笠原*
震度4 関東地方(下図参照)
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震度分布 気象庁発表


 この小笠原諸島西方沖地震は、当初マグニチュード8.5、震源深さ590kmと発表され、後にマグニチュード8.1、震源深さ682kmに訂正されましたが、太平洋プレート内部で発生した観測史上最も深いところで発生した巨大地震でした。地震発生から数分後には、防災科学技術研究所のK-NET/KiK-net観測網で観測された様々の地震情報が公開されるとともに、加速度波形データをダウンロードできるようになりました。
 震源から最も近い関東地方でも700km以上離れており、1300km以上離れた沖縄でも、2000km以上の北海道でもというように、日本全域で震度1以上の有感地震を観測しました。防災技研の強震観測網(K-NET KiK-net)のダウンロード/地震選択&ダウンロードで表示される「地震一覧」からこの地震を検索すると、日本全域の震度分布図や最大加速度分布図を得ることができます。さらに「強震記録一覧」には、各観測点の最大加速度が表示されています。


計測震度や最大加速度の分布図は下のように得られます。

計測震度分布


最大加速度分布


 図のサイズが小さいので、日本全域表示では、どこがどうなっているのか読み取ることは不可能です。そのまま、拡大画像を見ても粗くなってはっきりしません。
最大加速度分布(部分拡大)


 強震記録一覧には観測点の経緯度と最大加速度一覧が表示されています。これを利用すれば、白地図ソフトKenmapの震源表示版KenMap8eqを用いることによって、白地図上に加速度分布を描くことができます。
 最大加速度は上に表示された強震記録一覧では、観測点平塚ST1で182.9galで、次いで厚木で90.3gal程度です。マグニチュードは8.1と巨大地震でしたが、震源が深いこと、遠距離であることから加速度値は全体的に小さいものでした。この一覧のデータを使ってKenMap8eqを用いて、最大加速度分布図を描くと下図のようになります。最大の円は平塚ST1の182.9galを表し、その他の円は比例的に表した加速度を表すものです。

 各観測点の最大加速度から中間を線形補完して加速度分布をグラデーションで表したものが下図です。平塚ST1のみが突出していることが示されます。


 さらに、平塚ST1の182.9galを1としてその他を対数でグラデーション表示したものを下図に示します。最大加速度は、関東一円でほぼ同程度であったことが分かります。

 このような加速度分布図を描くためには、強震記録一覧に表示されたデータをKenMap8eqで読み込むためのテキストファイルに変換する必要があります。しかし、この小笠原西方沖の地震に対して、観測点は924カ所もあり、テキスト変換を手作業で行うことは極めて面倒です。(実際にHPのソースをテキストと取り込んでみると、強震記録一覧の部分は改行なしで8万字(バイト)ものテキストで、かつ、観測点ごとの文字数は不定であり、手作業での変換は気が遠くなります。そこで、強震記録一覧のテキストをKenMap8eq用のデータ形式に変換するソフトKNETAccを用意しました。試してみようと思われる方は、こちらのページを参照してください。


また、いくつかの地点の加速度計測波形をK-NET/KiK波形解析ソフトWAVEANAで解析してみました。

KNG201 平塚ST1
加速度波形
速度応答スペクトラム h=0,2,5,10%


CHB020 鴨川
加速度波形
速度応答スペクトラム h=0,2,5,10%


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