15 西讃八景・鴨の十二景・多度津八景
 
 正徳元年11月、多度津藩主から、西讃八景、並びに多度津八景を選定して見よとの仰出であった。
その時に、推薦されたにが次の通りで、今と比較して見るのも面白いと思うので、あえてここに書いた。
このうち西讃八景のうち、多度津関係は、第1番に堀江浦の夜雨と第8番の加茂の晩鐘の二景が選に入った。

一 堀江夜雨
客船暮雨滴蓬窓 相間暗中知堀江 終夜粛々眼不得 夜懐無限対燈紅
 堀江こぐ舟もよどみて夜の雨に ふるさと思う旅の諸人

八 加茂晩鐘
加茂神名遠自京 社頭拝礼精誠 忽聴野寺墓鐘響 帰路晩風双神清
 うつります加茂の社に手向して きくや野寺の入相の鐘

多度津八景
一 多度津晴嵐   二 堀江夜雨   三 狭峯暮雪   四 塩屋夕照
五 青野山秋月   六 泊島帰帆   七 中津落雁   八 加茂晩鐘

鴨の十二景
 これは元文年間(1738年頃)南鴨で、元、丸亀家中の者、塩山右門(監者)という風流人が住んでいた際の撰といわれているもの
一  法泉寺晴嵐   二  御料地夜雨   三  伽監暮雪    四  中御前夕照
五  氏宮秋月    六  宮浦帰帆    七  糺前帰帆    八  道隆寺晩鐘
九  正木清水    十  大河蛍火    十一 坊宮藤巻    十二 院庭桜花
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 昔の風流人は、前述のところを詩歌に托したり、行楽地としたり、晩鐘に聴きとれたり、雪を眺めて一掬の酒を汲み交わしたりしていた。
 これと比較して現在はどうであろうか。さしづめ、桃陵公園の桜を見、白方の海水浴場で芋を洗うような混み合に嬉々としたりで、昔の人のような、物静かな視野を持たなくなったと言えよう。
こんな詩的なことも、時には一服の清涼剤で頭がスカッとするものだ。  

 多度津八景については,こちらのページもごらんください.

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