11 弥谷・白方山に鹿狩り
 
 文久3年(1863年)10月16日、この日、多度津のお殿さんは家来を引き連れて、彌谷山へ鹿狩りに行った。勢子たちに追い出さして、それを弓で射た。記録では、藩主様、鹿二頭を射止むとあるが、この点は保証の限りでないが、兎に角く、鹿二頭は射止められたことは間違いない。
 その後も度々鹿狩は行なわれ、東白方山に鹿現わるの報せで、駆けつけ追いかけたが、白方土堤の方へ逃げて、遂に見失った。從ってこの日は一頭も捕れなかった。これらの記録によると、昔は大麻山・彌谷や、白方山附近に野生の鹿が生存していたと言うことになる。
 なお、この裏附(証明)となるものに、旧藩士富井退藏さんの記録から引用させて貰うと次のようなものがある。但し、鹿の身は、あまり上等なものでないらしい。

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