9 万延元年の大出水
 
 この年(1860年)5月28日、中津川が連日の大雨で堤防が切れ大洪水となった。
 この大水は、北鴨・堀江・出来町辺に押し寄せて来た。北鴨・堀江附近では腰まで浸るようになったので、堀江浜の土堤を切り開き、また出来町辺の水漬りは、豊津橋下手を切り取って放水したという。
古い記録によると、このことを「人々は前代未聞なり」記されてある。何しろ、治水が充分でなかったので、この中津川・金倉川などは、大正初年頃までは、大雨が続くと、すぐ大水ななったことを私はよく父に連れられて見に行ったものである。

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