6 蓮堀

 多度津陣屋の東側に巾30間、長さ140間、深さ2間位いの人工堀があった。
この中央辺に陣屋に通じる土堤があった。私らの子供時代には、この蓮堀りに、紅蓮、白蓮が一杯に咲いて美しかった思い出がある。
 この蓮堀の内側が即ち、陣屋で、私らの小学校は、この陣屋の続きで、昔の調練場にも近く、よく遊び時間に、この蓮堀へ来て、蛙釣をしたり鮒などを取って、先生に叱られたものである。
 この堀へ水を溜める水は、現在鶴ヶ落附近から用水を引いていたといわれ、そのため、川の水を一部上方へ流す工事もあったものか、この川を「逆さ川」とも言われ、それから西に流れ、出来町五十間長屋の裏を通り、それから、この堀に流れ込んでいたという。五十間長屋裏手にその通水用の木杭が最近見付かったことがある。
 今は、道路拡張や、土地造成で全部埋立てられ、堀の回わりに美しく咲いていたアカシヤの白い花も、堀の白蓮紅蓮も見ることが出来ない。

    多度津町立資料館の近くにあります
旧多度津陣屋蓮堀址
  
        
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