第五節 社会構成
 第一項 講中
  第一目 いろいろな講・その他
   1 講中
 

 昔は、大抵の村落に、講中という小単位で、互助活動をしていたものである。
 曰く、伊勢講、出雲講、箸藏講、等々があって、講を組み、一定の掛け銭を月々掛けて、くじ引か順番制で、お伊勢詣りをしたり、箸藏さんへ詣ったりしていた。
 この講中は、葬式がある家では、一番に講中に告げて、葬式一式を手伝って貰う。先づ檀那寺の交渉、葬具の交渉、役場への届などで、二人連れで行くことに決っている。葬式当日は、「ヒジ」食事の慥らへやら、焼場の準備、火葬する人などで忙しい。膳椀なども、この講中で共同買入れていて、これを出す。
 昔は、この講中にも入らず、交際もしない者を「ホシガンハズレ」と呼んでいたそうだが、もう堀江では、こんなことは無くなっていると言う。
 そして、終戰後は殆どの部落がそうであるように、この講中は癈されて、戰時中に出来た隣組単位で、大抵昔の講中がしていたようなことをしているのが現状である。



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