7 わらべうた


 子供心にも、うれしい時、悲しい時、自然にくちずさむのが、このような形となって、人から人へと、伝わって行ったものでなかろうかと思う。
 そして、これが殆んど全国共通している点も、何かそこに底流とでも云うものが、ひそんでいるのではなかろうか。
 昔から、唄いつがれている、わらべうたは、その数も多いらしいが、ここでは、この附近でよく耳にする、ほんの一部分である。
 
お月さん 年なんぼ、十三、九つ、十(と)う、八(や)つ。
そりゃまだ若い。
若い子、もうけて、
あの子に抱かしょうか、この子に抱かそうか、
おまんに負わした。「おまんの部室(へや)は、けさこそ見たら、
金らん、どんす、切子(きりこ)の枕。」またうそ言うぞ。
うそじゃござらん、ほんまの まこと。


お月さん年なんぼ、十三、九つ、十(とう)、八(や)つ。
そりゃまだ若い。
若い子もうけて
おまんに抱かして、油屋へやった。
油屋の門で、油一升ふりまいて
白どの犬と、黒どの犬が、ねぶってしもた。
その犬どした。
打(ぶ)ち殺してしもた。
その皮どした。太鼓に張ってしもた。
その太鼓どした。東の宮でドンドン
西の宮でドンドン。叩き破ってしもた。
その破れ太鼓どした。火にくべてしもた。
その灰どした。瓜にかけてしもた。
その瓜どした
鳥が引っかけて、飛んでしもた。

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