3 多度津小唄
 

 この多度津小唄は、昭和8年に、態々、西條八十氏を招いて「花びし」で泊って貰い、現地を見て廻ってからの、その感じを織り込んだ小唄で、この発表会は同年三月十日大阪放送局から全国へ電波に乗って紹介された有名なものである。
 この放送に地元芸妓五人を今井町長・商工会々頭ら十数名と共に、大阪放送局へ、出向いて、マイクの前に立ったのである。然し、この有名な多度津小唄も、今のジャズや、ブギうき、ゴーゴーなどの波に押しまくられて、この小唄を歌を聞くことは少くなって来た。多度津小唄の歌詞は次の通り。

多度津小唄    西條八十作詞
         中山晋平作曲

多度津ナー 多度津港は花咲くみなと
 名さえ 桃山 
チョコ、チョイ、キタ、チョイ、チョイチョイ
 名さえ 桃山、櫻川
 ハーレ、チョイキタ チョイ、サッサ
 ギートン、ナードコ、スッチョイ、チョウ

多度津ナー、多度津通れば「一太郎やーい」と
 今も呼ぶよな、今もよぶよな波の音
 ハーレ、チョイキタ チョイ、サッサ
 ギートン、ナードコ、スッチョイ、チョウ

多度津ナー、多度津よいとこ、月夜においで
 塩飽七島、しわく七しま、銀ぼかし
ハーレ、チョイキタ チョイ、サッサ
 ギートン、ナードコ、スッチョイ、チョウ
 多度津小唄は昭和8年の観光案内パンフレットのページに次のようにでています


 旅館花びしの一室で作曲発表中の
  中山晋平氏(中央)
  その右側が時の町長今井浩三氏
         (グラフたどつ)

  「花びし」は小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が休んだり,乃木希典が泊まったこともある多度津一番の老舗旅館でしたが,現在は廃業しており,建物も残っておりません.花びしについては,こちらをご覧ください.


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