3 七人童子(行き合に逢う)
 

 道や、家の曲り角でよく昔は、七人童子に出逢うて、その子が熱を出して苦しむと言われた。
 そして殊に晩げ(夕方)などは、よう気ィつけ、と、親から言い渡されたものの一つで、これも昔の子供に対する、夕暮れや、夜間の遊びに危険防止の一策とも考えられる。
 子供が遊んで帰えって原因不明の熱を出したり、ゾクゾク寒む気がしたりすると大抵その母親が、子の頭から黒い布をスッポリとかぶせて、家の外にかがませて、大きい箕の中に、一升枡・金気のもので大抵包丁か火箸を入れて、カタカタと、それで子供の頭の上であおぐ。私もやって貰ったことが度々あって、その時は何か知らんが、ヨウ癒ったと思ったことがある。(思い出より)
 これを普通に「行き合いに逢うた」と言っていた。


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