17 報恩講(堀江即往寺)
 
 霜月ともなると、真宗(一向宗)寺では報恩講が執行される。ここでは家の檀家寺である即往寺に触れて見よう。
 まず寺から報恩講のある日を知らせて来る。この寺の門徒は堀江・北鴨・中津・今津・白方・弘田などである。地元の堀江では講中はこの日、早朝から寺へ行きお斎(オトキ=食事のこと)(寺院や門徒に出す食事)の準備に忙しい。
何しろ二斗も三斗もの飯を炊く。大根油揚の煮つけ、粕汁作りなど、百人分も作る大仕事である。
 時刻が来て寺の半鐘が鳴る頃、続々と門徒が参って来るのである。
その時、佛飯袋(白米が五六合入る袋)と、今は、これに金百円也を添えて受付に差出す。また別にお供物を出す人もあり、金額には制限がない。
やがて読経・型の通りのお説教、御文章朗読・焼香それからお斎につき食事をして解散ということになる。私の小さい時は、この報恩講の日は、寺の中へ駄菓子など売る店が出ていたことを覚えている。
 なお、寺では、春・秋二回の永代経を執行する。これにはお斎を出さないが、報恩講に大体同様、佛飯袋に米とお金を添へて受付に差出し、法話聴聞、焼香して帰える。

即往寺(堀江)

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