4 三月三日「ひな祭」(ひな節句)
 

 皆さんも既に知っているように、この日は「ひな節句」ともいい、女の子のお祝いで、昔は、嫁の里からひな人形を贈っていた。座敷に「ひな壇」を設け、今も同じような飾付をして「菱餅」「あられ」「草餅」を供え、柳の枝に「フクラシ」(餅粉で鯛や蛭子の菓子)を、つるし、親せきや、身の濃い人などを招いて、お客をする。そして女の子の成長と幸福を祝う。昭和31秋、逝くなった私の父、栄祐は絵が大変上手であったので、人に頼まれたり、又、子や孫のためにと壁掛の輻ものを何枚も書いた。そのうちの一枚位いは、どこか家の親類のうちに残っているだろう。
 また昔、この日は昼頃から、弁当や酒を持って「多度津の桃山」=今の桃陵公園へ行き莚を敷いて、酒宴を開いたと聞くが、今は、殆んど新暦によるようになったので、お雛さんに附きものの、桃の花はまだ固い蕾でしかなく、また柳もまだ芽も出ていない季節で、年々豪華になって来出した「お雛まつり」も、全く季節感の伴なわない「ひな祭り」の行事となっている。


ちらし寿司多度津町立資料館在郷風土記もくじ前へ次へ
inserted by FC2 system