3 節分
 

この次が節分である。主として真言宗のうちでの風習である。
 先づ神棚を祀り、鰯の頭を柊(ひいらぎ)の枝に押し込んで、家の戸口、全部に一本、一本さしておく。
そして、大抵夜に入ってから例の「鬼は外!!福は内!!」と言い乍ら炒り豆を撒く。
 この裏手の子供らは、昔は「おばはん、鬼の豆、ばわさんか。コチャひろてやる」と言い乍ら、家々を廻っていた。家によっては、この炒り豆の外にミカンや小銭を一緒にバラ撒いて、子供達に拾らわせていた。
 この、豆拾らいに歩き廻わる子供達の大声は節分の夜、おそくまで響いていたものである。今でも、蛭子町では、この節分の行事は續けられている。


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