40 振りうつし塚
 

 多度津の北鴨にある道隆寺には、昔から三石三斗三升三合の米を炊いて、村人に配ったり、寺の本尊さまや大師堂にお供えする。お供えのご飯は円錐型 のむすびにして三宝に乗せ、上の方をワラシベで鉢巻をする。
ある年、このように三石三斗三升三合の飯を炊いて車に積んでお寺へ行く途中で、その車が、ある古塚の前でヒックリ返えてこのご飯が全部ふりうつされてこぼれてしまった。それからこの塚を「ふりうつし塚」というようになったが、今は田んぼになって、この塚はないが、今でも、米三石三斗三升三合は炊かないが、大饗市「鴨市」ともいう日に、薬師堂の東手にある「妙見堂」に、円錐型の四五十糧も高さのあるおむすびをお供えしている。
この(お穀・おごく)を妊婦が頂くと安産すると言われている。


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