3 弓掛けの話
 
 普通に、漁舟の水棹(みざお)を掛けておくY字型の木を、股木(またき)と呼んでいるが、多度津の漁師町(蛭子町)では、昔からこれを「弓掛け」と言っている。
何でも昔、祖先が士であったとかで、この股木に弓を掛けておいて、漁をしたのに始まったと言い伝えている。
 そして、ここだけが、今に股木のことを「弓掛け」と言っている。

(註)ある研究家の説では「弓掛け」でなく、「忌み掛け」と言って水死人などを見付けたとき、舟の鞆にあるこの股木に綱でくくって、引掛けておくとのことで、言の葉はよく似通っている点、注目に価いするものがある。

      
       弓掛け(グラフたどつ)

ちらし寿司多度津町立資料館在郷風土記もくじ前へ次へ
inserted by FC2 system